-ニキビ治療の新薬ディフェリン(一般名アダパレン)の効果-


ニキビ治療の新薬ディフェリン(一般名アダパレン)の効果

ニキビを予防するディフェリン(一般名アダパレン)

ニキビは「青春のンンボル」と呼ばれるように、13歳前後からでき始め、高校生の頃に最も悪化します。そして9割以上の人が、ニキビを経験します。

思春期を迎えると、男女とも男性ホルモンの働きが活発になり、皮脂の分泌が盛んになります。毛穴の周囲の皮膚が固くなって詰まり、皮脂がたまると、皮膚の常在菌であるアクネ菌が皮脂を栄養源にして異常に増えます。この状態が、赤いニキビの炎症を引き起こす原因です。

従来治療に用いられてきた抗菌薬は、アクネ菌を殺すことで、ニキビの炎症を抑える効果がありました。これに対し、ニキビ新薬の塗り薬ディフェリン(一般名アダパレン)は、ニキビのできる初期段階において、毛穴が固くなるのを抑え、皮脂がたまるのを防ぐ働きがあります。医師が処方する医療用の医薬品として、2008年10月に発売されました。


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ディフェリンによるニキビ治療の効果と副作用

12~35歳の男女約100人を対象にした3か月間の臨床試験では、ディフェリンを塗った患者さんではニキビの数が平均で約64%減少したのに対し、有効成分を含まない軟こうを塗った場合には40%の減少にとどまり、ニキビを抑える効果がみられました。

一方、ディフェリンを使った8割以上の人に、皮膚の乾燥やかゆみなどの副作用がみられました。

副作用の多くは、薬の使用開始直後に起こります。1、2週間で軽快しますが、販売するガルデルマ社は「保湿剤と併用するなど、皮膚科の専門医による指導の下に使用してほしい」と注意を呼びかけています。

新薬の登場に合わせ、日本皮膚科学会は2008年9月、初めてのニキビ治療ガイドラインを策定しました。ニキビのでき始めにはディフェリンを使い、軽症から中等症にはディフェリンと抗菌薬の塗り薬を併用、中等症から重症のニキビに対してはディフェリンと抗菌薬の飲み薬との併用を勧めています。

ディフェリンは保険適用

治療の基本は皮膚を清潔に保つことで、1日2回の洗顔のほか、化粧をする場合には刺激の少ないものを使うことを推奨しています。食べ物は「ニキビの悪化との関係を示すデータはない」として特に制限はありません。

臨床試験の中心となった東京女子医科大学皮膚科教授の川島眞さんは、「症状が軽いうちに、皮膚科で治療を受けてほしい」と話しています。

ディフェリンは就寝前に1日1回、洗顔をした後に塗ります。保険がきき、約2週間分の15グラム入りチューブ1本の薬代は約530円(3割負担)です。


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関係医療機関

東京女子医科大学皮膚科

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