-肌の傷跡を再生治療するフラクショナル・レーザー-


肌の傷跡を再生治療するフラクショナル・レーザー

従来のレーザーは、皮膚の再生までに時間がかかる

けが、やけど、手術の縫合などで皮膚が傷つくと、最初は赤くなりますが、通常は時間とともに色が薄くなり、やがて目立たなくなります。

傷跡が赤く膨らんだまま残ったり、ケロイドになったりした場合は、皮膚を縫い合わせたり移植したりする外科的な治療が行われてきました。しかし、傷跡は様々で、外科的な治療の対象とならない白くなった傷跡や小さな膨らみでも、顔や腕など、人の目に触れる場所にあると気になります。

そんな傷跡には、レーザー治療が役に立ちます。レーザーは、黒いしみや赤いあざなど、色素に反応して焼くタイプや、皮膚の表面を焼いて削ることで新たな皮膚の再生を促すなど、様々な種類があります。

傷跡に使われるのは、表面を焼いて削るタイプです。しかし、従来のレーザーは、皮膚の再生までに時間がかかり、日本人の場合、治療後に色素が沈着して残る危険性が高かったです。


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皮膚の再生が速いフラクショナル・レーザー

それに対し、フラクショナル・レーザーは、一つの線や面ではなく、特殊なフィルターを通すことで、1平方センチ・メートルあたり数十から数百の微細な点で照射します。レーザーで焼いた部分を正常な組織が取り囲むため、皮膚の再生が速く、色素沈着が少ないです。

このため、フラクショナル・レーザーは広範囲な傷やニキビ、やけど跡など、凹凸がある肌の治療がしやすいです。皮膚科や形成外科のクリニックで美容目的に使用することが多いですが、日本医科大学形成外科では、傷跡ややけど跡の治療にも研究として積極的に使っています。

同大学形成外科医師の小池幸子さんは、「完全に跡が消えるわけではないことは理解しておいてください。それでもなめらかになるので、メークで跡を隠す方法もあります」と話しています。

治療はやや痛みを伴うため、事前に麻酔のテープやクリームを使うこともあります。保険はきかず、医療機関によって治療費は異なります。自分の皮膚には効果がどの程度期待できるのか、事前に医師から詳しく説明を受けて治療を受けてください。

フラクショナル・レーザーに効果がある症状

しわ、たるみ

傷後

やけど跡

ニキビ跡

逆に効果のない症状

あざ

ほくろ

ケロイド


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関係医療機関

日本医科大学形成外科

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