尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)の原因
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)は皮膚の色素を作る細胞「メラノサイト」が少なくなり、色素が抜けてしまい、白いシミのようになってしまう病気です。かゆみや痛みはありませんが、美容上の問題で悩む方は多いです。
尋常性白斑には、全身に左右対称にできる「汎発型」、片側の神経に沿ってできる「分節型」、一部にできる「限局型」があります。このうち「汎発型」は、免疫細胞のリンパ球があやまって、メラノサイトを攻撃することが原因とされています。このため患部に紫外線を照射し、免疫細胞を死滅させたり、働きを抑制したりする治療が行われます。
従来の治療は、感受性を高める薬と波長の長い紫外線(UVA)照射を併用する、PUVA(プーバ)療法が主な治療法でした。しかし副作用として、照射後24時間は、日光を浴びるとやけどをする恐れがあたり、顔の治療が困難だったりしました。
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新紫外線療法「ナローバンドUVB」
新しく開発されたナローバンドUVBは、治療に有効なごく限られた範囲の波長のみを照射しますので、エネルギーがPUVA(プーバ)療法より強力で、薬が不要になり顔の治療も可能になりました。
ナローバンドUVBは、尋常性白斑だけでなく、皮膚の表面に白いかさぶたのような鱗屑(りんせつ)ができ、痛みやかゆみを伴う尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)や、アトピー性皮膚炎の治療にも使われています。
ただし紫外線を使いますので、皮膚がんの心配がありますので、初回に少量を照射し、皮膚の赤みをみて、慎重に治療を進めなければなりません。尋常性乾癬はナローバンドUVBでは完治しませんので、再治療が必要になります。このため尋常性乾癬の治療では、発がんの危険が高まりますので、薬物療法と組み合わせる工夫が必要になります。
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